【内定率98.1%】なぜ大卒就職内定率が過去最高を記録したのか?その背景について解説!

スーツ着たビジネスマン

2024年度の文部科学省の調査で、今年春に大学を卒業した学生の就職内定率は98.1%で過去最高となったことが明らかになりました。

大学(学部)を卒業した学生の今年4月1日時点の就職内定率は、98.1%で前の年と比べて0.8ポイント上昇し調査が始まった1996年度以降で過去最高を更新しました。

では、なぜ過去最高を更新するほどの内定率に至ったのか?

その理由を3つ解説していきます!

目次

1.社会全体の人手不足

大卒就職内定率が過去最高を更新した理由の1つ目に、社会全体の人手不足を挙げます。

人手不足の増加により、就活市場では、学生が選考を有利に進めることができる「売り手市場」の傾向が年々強まってきています。

こうした人手不足により、就職内定率がUPした要因には以下のものが考えられます。

① 少子高齢化の進行による生産年齢人口の減少

日本の人口動態は少子高齢化が顕著に進行しており、生産年齢人口(15-64歳人口)が年々減少しています。

こうした労働力不足への対応から、企業は新卒採用に力を注いでいます。

② 就職氷河期世代の大量退職

団塊の世代に続き、就職氷河期世代の大量退職が始まり、人材の世代交代が急務となってきています。

そうした背景から、新卒採用の重要性が増しています。

③ 人件費抑制傾向の転換

長らく人件費抑制に走った企業も、人材確保が最優先課題となり、給与水準の改善や処遇面での見直しを迫られています。こうした構造的な人手不足環境下で、企業は新卒一括採用を強化せざるを得ず、就職内定率が上昇したものと考えられます

② 圧倒的に人手不足な業種・業界が現れたため

理由2つ目は、圧倒的に人手不足な業種・業界がでてきたことです。

特に、建設業、流通業、製造業、介護業は、人手不足が深刻で、求人倍率のデータを見ると、2024年3月卒で流通業が10.49倍、建設業が13.74倍、製造業が2.19倍の圧倒的売り手市場になっており、こうした背景により、就職への難易度が緩和され、今回の過去最高の内定率に繋がったと考えられます。

【建設業】 人口減少に伴い、設備投資は減少傾向にあるものの、東京一極集中の是正や国土強靭化、インフラ老朽化対策など、建設需要自体は根強く残っています。しかし就業者数が大幅に減少しており、2030年には約34万人の労働者が不足すると試算されている極めて深刻な人手不足業種。

【流通業】 EC市場の拡大に伴い、物流施設の増設や宅配便の需要増加など、流通分野での人手不足は慢性化している。アフターコロナの外食・小売需要の回復も重なり、特に人件費の安い学生アルバイト層を確保することが喫緊の課題となっています。

【製造業】 自動車や電気機器など幅広い分野で、グローバルサプライチェーン混乱の影響が続いています。加えてデジタル化への対応、カーボンニュートラル対応など、新たな製造分野での人材獲得競争が起きています。

【介護業】 団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、介護人材の確保が喫緊の課題。業界全体で年間10万人以上の人材不足と試算されており、賃金の改善や労働環境の整備が必要不可欠な最重要課題となっています。

3.求人数の増加

最後、理由3つ目に挙げられるのが、求人数の増加です。

2024年卒の大卒求人倍率は1.71倍となり、2023年卒の1.58倍から0.13ポイント上昇し、コロナ禍前水準に回復しました。

また、新規求人数も大幅に増加し、特に製造業、建設業、医療・福祉業界での求人増加が目立ちました。

こうした求人数の大幅増加により、就職を希望する大学生の内定獲得チャンスが増え、結果として内定率が過去最高を更新することにつながったと考えられます。

まとめ

大卒就職内定率が過去最高を記録した背景には

  • 少子高齢化などに伴う生産年齢人口の減少で、人手不足が加速したため
  • 建設業、流通業、製造業などの、人手不足に伴う就職難易度の低下
  • 求人数の増加

上記の3つが関わっていることが明らかになりました。

今回はここまでで以上になります。

最後までご清聴いただき、ありがとうございました!

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