女子サッカーのパリ五輪アジア最終予選第2戦が28日に国立競技場で行われた。その試合でなでしこジャパンが2-1で北朝鮮女子代表を撃破し、2大会連続6度目の五輪出場を決め、大きな話題を呼びました。
ですが、それと同じくらい大きな話題になったのが対戦国、北朝鮮の監督の会見での回答拒否、判定不満、号泣などの印象深い会見でした。
そんな大きな話題を呼んだ北朝鮮のサッカーでしたが、ネット上では「負けたら死刑」 「負けたら懲罰」などの噂が飛び交っていました。
実際、この噂は本当なのか!?
今回はこの噂について徹底調査していきます!
そもそも北朝鮮はサッカーが強い? またその注目度はどのくらいあるのか?
北朝鮮の女子サッカーは強い (FIFAランキング9位)
北朝鮮の女子サッカーは、2023年12月15日発表の最新FIFAランキングで9位に位置しており、日本の8位に次いでアジアで2番目となっています。
また、日本の女子サッカーは北朝鮮と過去25回対戦し、8勝5分12敗と負け越しています。
しかし、直近が4連勝中で2023年アジア競技大会では日本が4-1で勝利し、金メダルを獲得しています。
下記の表は直近10年間の日本との対戦成績になります。
- 2024年2月28日 アジア最終予選:日本 2-1 北朝鮮
- 2023年10月6日 アジア競技大会決勝: 日本 4-1 北朝鮮
- 2017年12月9日 親善試合: 日本 1-0 北朝鮮
- 2015年8月2日 親善試合:北朝鮮 2-1 日本
北朝鮮ではサッカーは超人気スポーツ
北朝鮮にとってサッカーは国技とされており、金正日(キム・ジョンイル)前総書記は「サッカーで世界を制しろ」と口癖のように言っていたほど、人気と熱があるスポーツです。
また、後継者の金正恩(キム・ジョンウン) 総書記も2013年5月に「平壌国際サッカー学校」を設立したほか、2017年には、国内すべての児童・生徒にサッカーボールを1個ずつ、計100万個以上を支給するよう指示したこともあると言われるほど、サッカーに力を注いでいます。
【噂】負けたら死刑は本当なのか?
【結論】デマであり、実際にはない。
結論、死刑はデマであり実際には行われていないことが判明しました。
その根拠として、ライター・編集者として活躍する安宿緑(やすやどろく)さんが自身のXで
「北朝鮮サッカー選手が暴力的なのは、負けて帰国したら銃殺になるからというのはデマ。南アフリカW杯でポルトガルに7-0で負けた時も監督が炭鉱送りになったと言われたがその後、朝鮮スポーツ省の副大臣になっていた」
ラフプレー連発のサッカー北朝鮮代表 専門家「負けて帰国したら銃殺はデマ」とSNSのうわさを否定 – サンスポ (sanspo.com)
死刑がデマであることを明言しています。
恐らく、死刑にされるのでは?というデマは、北朝鮮の選手が試合中にヒートアップした様子などから、
SNS上で、「帰国したら処刑されると思ったら必死になるよね」と帰国後に銃殺などの処分が待っているのではといった憶測の声が上がったことがきっかけではないかと思われます。
【噂】死刑まではいかなくとも、何らかの懲罰はあるのか?
【結論】関係者の口からは「懲罰はない」と明言しているが、過去にはあったケースも。
結論、本当の真実は知る人のみぞ知るといったところに結論が落ち着くかと思われます。
このように結論づけた理由は、記事によって、懲罰はあるかないかの主張が少し分かれる結果になったためです。
集英社オンラインの記事では、北朝鮮関係者が
「スポーツで負ければ監督や選手が“懲罰”を受けるとまことしやかに言われていますが、これは都市伝説ですね。昨秋、杭州でチームの指揮を執り日本に敗れた、リ・ユイル監督は今回も来日。朝鮮新報のインタビューに『(杭州でのチームは)ほとんどが若手選手で構成され国際試合の経験が不足していた。当時の試合を通じて得た経験と教訓をもとに、今回の試合のために技術と戦術の両面でしっかり準備してきた』と話しています」
と「懲罰はない」ことを名言しております。
一方で、過去には強制収容所に送られた選手もいたとの記事も目にします。
その記事によると、その選手は北朝鮮がイタリアを破る番狂わせを起こし、アジア初の8強入りを果たしたサッカーワールドカップイングランド大会で一度は「英雄」として国に迎えられた選手であると述べられています。
英雄から一転、強制収容所に送られたとされるその原因は、宿舎を抜け出し、イギリス女性と夜な夜な遊んでいたことだとされています。
収容所の生活は餓死が日常茶飯事とされ、収容者の40%程度が栄養失調で死亡しているとの情報もあるほか、空腹に耐えかねてネズミを食べるものや立つことも横になることもできない「拷問部屋」も設置されるなど、過酷を極めた環境だといわれています。
北朝鮮が勝利し五輪を決めていた場合、どのような待遇が待っているのか?
北朝鮮関係者によるとメダルの獲得や五輪の出場を決めた際には、盛大な祝賀会が開かれ「国家の英雄」扱いを受けると話しています。
「コロナで国際大会出場を見送っていた北朝鮮が約5年ぶりに選手を派遣した杭州アジア大会では、メダルを獲得した体操や重量挙げの選手らに帰国後、盛大な祝賀会が開かれました。国内メディアでも大きく報じられ、国家の英雄的な扱いを受けています。女子サッカーが五輪出場を決め、さらに好成績を残せばそれ以上の待遇になるでしょう」
〈なでしこ・パリ五輪かけた大一番〉北朝鮮代表「負けたら選手・監督が懲罰」は本当か?ラフプレー減少の背景に金正恩氏の妹、与正氏の影も…(集英社オンライン) – Yahoo!ニュース
スポーツ復興に力を入れている北朝鮮にとって試合に「勝つ」ことは、日本では計り知れないぐらいの価値があると同時に、プレッシャーも並大抵ではないことが想像できますね。
まとめ
- 負けたら死刑はデマだが、懲罰は100%ないとは言い切れない。
- ただし大事な一戦で勝てば、国家の英雄並の待遇を受けられる。
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