【トランプの対抗馬】ニッキー・ヘイリーが撤退した今回の敗因とは?そこには3つの理由が 米大統領選2024

アメリカのホワイトハウス

今月6日、今秋の共和党の大統領選予備選挙の指名争いで、トランプ前大統領の対抗馬であるニッキー・ヘイリー前サウスカロライナ州知事が撤退することが発表されました。

ヘイリー氏は今月5日に行われた、米大統領選に向けた共和党の候補者選びの序盤戦最大のヤマ場となる「スーパーチューズデー」において、トランプ氏との直接対決に1勝14敗と大敗を喫しました。

この結果を受けた翌日、ヘイリー氏は米大統領選の共和党指名候補争いから撤退することになりました。

では、今回の争いで大敗を喫し、撤退に至った敗因は一体何だったのか?

今回の敗因について3つ解説していきます。

目次

ヘイリー氏の3つの敗因

1. 共和党の「トランプ化」で、ヘイリー氏が劣勢になったため

1つ目は、共和党の「トランプ化」によって、ヘイリー氏の立場が劣勢になったことが挙げられます。

現在、共和党内は7年にわたり共和党のトップを務めてきたマクダニエル氏の引退によって、ますます「トランプ党」への党内支配が加速すると見られています。

実際、今月8日には、米共和党幹部にトランプ氏の次男の妻であるマイケル・ワットリー氏が選出され、さらなる党内支配の拡大が現実のものになりつつあります。

また、11月の米大統領選に向けた共和党の候補指名争いにおいても、ロン・デサンティス南部フロリダ州デサンティス知事は、序盤戦で早くも撤退を表明し、現在のトランプ氏に対抗することの難しさを浮き彫りにさせる結果となってしまいました。

また、デサンティス氏は、その後の表明で、

「ニッキー・ヘイリー氏(元国連大使、52歳)が代表する旧態依然とした共和党に戻ることはできない」

「トランプ党」となった米共和 有力候補撤退が示す物言えぬ支配 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

と語っていました。

そんな状況下の中、トランプ氏の対抗馬としてスーパーチューズデーに挑んだヘンリー氏。

結果は、全15の州での投票でトランプ氏に1勝14敗と大敗を喫しました。

つまり今回のヘンリー氏の敗因の1つ目に、現在の共和党内の「トランプ化」によって、支持獲得が難しい状況であったことを挙げます。

2. 共和党支持者が、移民問題に関してトランプ氏に期待を寄せていたため

2つ目は、トランプ氏への「移民問題」の解消を期待する共和党支持者が多くいたためです。

今回の選挙において、共和党支持者の間では、移民問題と経済が関心の的となっていることが明らかになっています。

また、この2つのトピックは、人工妊娠中絶や外交政策をはるかに上回っております。

ノースカロライナ州では、共和党の予備選で投票した有権者の43%が移民問題を最重要課題に選び、それに次いで31%が経済、11%が中絶、9%が外交政策を選ぶといった模様になっています。

こうした背景によって、有権者は「移民問題を対処してくれる人物」に大きな関心を寄せる形になりました。

そこで今回、こうした国境・移民問題の改善に共和党支持者は、トランプ氏へ大きな期待を寄せました。

調査では、ヴァージニア州の60%以上の人が、この問題に関してはトランプ氏の方が良い仕事をすると思うと回答し、ヘイリー氏を大きく引き離していたことが明らかになっています。

3.トランプ氏のポピュリズム的手法が現状に不満を持つ層に多く支持されたため

3つ目は、トランプ氏のポピュリズム的手法が、現状に不満を抱える人々に多く支持されたことです。

トランプ氏は今回の大統領選で、エリートなどを批判し、現状に不満を持つ人々に支持を訴えるポピュリズム的な手法をとっています。

この手法によって、バイデン政権下で、不法移民の流入や所得格差にいらだちを募らせる有権者らの受け皿になっているとされています。

こうした手法に、トランプ支持者らは、

「バイデン大統領を倒すことができるのは、トランプ氏だけだ」

「トランプ氏は米国を守ろうとしている。移民が国境を越えて押し寄せる現状は間違いだ」

トランプ氏のポピュリズム、不法移民流入や所得格差にいらだつ有権者の受け皿…穏健政策のヘイリー氏は広がり欠く(読売新聞オンライン) – Yahoo!ニュース

と、ポピュリズム的手法の成功を伺わせる発言が寄せられています。

こうした、ポピュリズム的手法で有権者の数と信頼を大きく手繰り寄せたトランプ氏に対し、ヘイリー氏は保守派が重視する人工妊娠中絶問題で全国的な禁止を求めない考えを示すなど、穏健な政策を図りました。

ですが、トランプ氏への支持に阻まれ、ヘイリー氏への支持は広がりを欠ける形になりました。

まとめ

今回、ヘイリー氏が撤退に追い込まれたその敗因は、

  • 共和党の「トランプ化」によって、ヘイリー氏の立場が劣勢になったため
  • トランプ氏への「移民問題」の解消を期待する共和党支持者が多くいたため
  • トランプ氏のポピュリズム的政策が、現状に不満を抱える人々に多く支持されたため

今回はここで以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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