国内化粧品メーカーの売上高NO.1を誇る「資生堂」は2024年2月29日、日本事業を統括する子会社、資生堂ジャパン(東京)で1500人の早期退職を募集すると発表しました。
今回の早期退職者1500人という数は、同社の22年末時点での従業員数3万3414人というデータで計算すると、対象人数は全体の約4.5%に相当します。
ではなぜ、化粧品メーカー売上高国内NO.1を誇る「資生堂」が早期退職者募集に踏み切ったのか?
そこで今回は、そこに至った3つの理由について解説していきます。
まず、今回の早期退職の対象者について
今回資生堂が募集した早期退職の対象者は
資生堂の子会社であり、同社の国内事業を展開する資生堂japanの社員1500人。
また、資生堂japanに在籍する45歳以上かつ勤続20年以上の社員が今回の対象者になっています。
募集期間は、4月17日~5月8日までで、退職日は9月末となっています。
また、希望者には転職活動支援も行うとのことです。
次に、今回の件に至った、その理由について解説していきます。
1. 過剰な人員を削減したかったため
まず1つ目は、「人件費」を削減し、利益を増やす狙いがあったと考えられます。
特に近年は、コロナ禍でのオンライン販売の需要の高まりや、AI化や全自動化が急速に進みました。
このデジタル化の影響を大きく受けたのが、ショップなどで働いている販売員などの「非生産人員」です。
この「非生産人員」が余剰になってしまうと、経営側から見れば「費用の無駄」だと捉えるのは当然のことだと思います。
こうした背景が、今回の早期退職者の募集に踏み切った1つの要因として考えられます。
2.会社の業績が良いからこそ、この時期にスリム化を図ろうとしたため
「リストラ=赤字」というイメージを持っている方も多くいらっしゃるかもれませんが、
こうした会社の業績が良いときに行なわれるリストラというのは決して珍しいことではないのです。
実際、こうしたリストラは「攻めのリストラ」や「黒字リストラ」と呼ばれ、
- 財政状態が健全なうちに事業を見直す
- 年功序列の賃金制度を見直し、給与の高い40代~50代の人件費を削減できる
こうしたメリットが生まれます。
またその他にも、リストラする際には、対象者へのアフターフォロー(退職金、就職支援)のための費用が大きくのしかかります。
ですので、業績が良好な時ほどそれらの費用の負担を低減できるといったメリットもあります。
3. 賃上げ気運の高まりに応じ、賃上げを若い社員に費やしたいため
そして最後の理由が、賃上げを若い社員に費やしたいという理由が考えられます。
その理由は、3点あります。
まず1つ目は、
国が「賃上げ促進税制」を強化し、賃上げを行うよう積極的に促しているため。
2つ目が、
今回の早期退職の対象者が「45歳以上かつ勤続20年以上の社員」であること。
そして最後3つ目が、
賃上げによって、良い人材の確保や若手の離職を防ぐことに繋がるためです。
まとめ
今回、資生堂が早期退職者を募集した理由は
- 余剰な人員から生じる、「人件費」を削減し、利益の安定と向上に繋げたかったため。
- 会社の業績が好調な時に、組織の体制を整えたかったため。
- 賃上げによって、若手社員の離職防ぎや優秀な人材の確保に繋げていくために、無駄なコストを削減する必要があったから。
上記の3つになります。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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